ながさわ鍼灸治療院

＜１日の体温＞

体温は１日中一定ということはなく、常に変動しています。

活動する日中に高く、睡眠をとる夜間に低くなります。早朝４時前後に催嚏となった体温は上昇し始め、昼頃から夕方まで高く維持されたと後、夜になって下がり始めます。１日の体温の変動幅は、１℃程度と考えられています。

 

＜高齢者の体温と睡眠の特徴＞

高齢者では朝の体温の立ち上がりが若者より早く、夜に体温が下がるのも早いです。睡眠の状態を調べると、眠りにつくのも、朝起きるのも早くなっています。高齢者では体温や睡眠以外にも血圧の変動やホルモンの分泌など、多くの生体リズムが前倒しになる傾向で、体内時計が加齢とともに変化していると考えられています。

高齢者の体温の特徴として、夜間の体温があまり下がらないため、１日の体温の変動幅が小さくなっていることがあげられます。一般的に、体の中心部の温度が下がったほうが眠りは深くなりますが、夜の体温があまり下がらない高齢者では、眠りが浅くなっていることがわかっています。高齢者は尿意や少しの物音でも目を覚ましやすくなります。

 

＜高齢者は暑さ、寒さに対する反応が弱くなる＞

高齢者は、暑さや寒さに対する感覚が鈍くなり、身体の反応も弱くなっています。具体的には、暑くても汗をかきにくく、汗の遼も少なくなります。また暑いと皮膚の血流が増えて体内の熱を逃そうとしますが、高齢者の場合、暑くても皮膚の血流量が増えにくくなります。逆に、寒くなっても皮膚の血流量があまり減らないため、体内の熱を逃してしまい、身体を冷やしやすくなります。

高齢者に熱中症が多い理由として汗をかきにくい、暑さを感じにくい、体温調節機能が低下している、咽の渇きに気付きにくい、体内の水分量が少ない、持病がある、冷房が嫌いなどが考えられます。

 

＜高齢者は寒いと身体が冷えやすい＞

寒いとき、高齢者の手にさわると温かく感じることが多いのです。本来、寒いときは皮膚血管が収縮し血流量が少なくなり、体内から熱が逃げるのを防ぐものです。しかし、若い人に比べて高齢者の皮膚血管はその反応が鈍いために、体内から熱が奪われやすくなるのです。さらに、体内で熱を作り出す反応も高齢者では弱いために身体が冷えてしまいます。

～山梨大学生理学教授資料引用～

 

 

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